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entrust

2020-2024

自然に身を委ねる

川を流れる水の冷たさに触れてみたり、岩の上で寝てみたり

木漏れ日の柔らかい光、太陽が反射して煌めく水面

轟々と鳴る水音、鼻孔をくすぐる土の匂い、生い茂る木々の呼気

幾千もの時間をかけて形成された自然の中にひとり立つと

五感を通して自己の生命の輪郭をなぞることができる

自然への畏怖を抱き、自らの存在の小ささや無力さを漠然と実感する

私たち人間はただ一種の動物に過ぎないと

人間社会から切り離される瞬間

私たちは何者でなくてもいいという事実に途轍もなく安心するのだ

自然は時に恐ろしく、時に優しい

被写体と共に撮影しながら自然に溶けていくと

皆、表情が柔らかになると同時に凛とした生命力が瞳に宿る

その経過をカメラに収める、そんな撮影をこれからも私は続けていくだろう

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